用心するに越したこと無し!《ロンドンの治安状況をご案内》

海外旅行に行くとなると心配なこともいっぱい。
その中でも現地の治安状況って気になりませんか?
安全な日本に住んでいると、当たり前の行動が実は海外では危険な行動だったりして。
そこで今回は、安全で楽しい思い出作りの為に、今のロンドンの治安状況をご案内します。

今のロンドンの治安状況は?

いよいよロンドンの旅を計画されている方が増えてきているのではないでしょうか?
ロンドンは2022年3月からコロナ対策が全面解除になり早1年。欧米の旅行者が一気に増え、最近ではアジア人の旅行者も戻り始めています。
街中は場所によってはコロナ前よりも混んでいるのでは?と思うほど。ロンドンの観光は完全復活へと向かっている状況です。

ロンドンはヨーロッパの中では比較的治安の良い国と言われています。
既にロンドンを訪れたことのある方の中には、ロンドンは意外と安全。危ない思いはしなかった。と言う方も多いのではないでしょうか。

現在、急速に観光復活を遂げているロンドン。となると同じように増えていくのが、悪い人たち。
スリや置き引き、詐欺など、観光者をターゲットにした犯罪者が既に問題となり始めました。
自分が感じるに、コロナ前より被害者が増えているのでは?と思う今日この頃です。

自分は大丈夫。これが間違いの始まりです。
敵はいろいろな手口で狙っているし、最近ではかなり大胆な犯罪を犯す悪者も増えています。
今回は手口を含め、対策などをご案内していきますね。

狙われるものは何?

街中で犯罪者が敏感にわかるのが観光客オーラ。自分ではそんなつもりがなくても、解る人には誰が観光客か解ってしまうようです。
とは言え、在住者の被害が多いのも確か。以下の物にはくれぐれもご注意を。

携帯電話

これは正直、在住者の方達も狙われています。
ロンドンでは、携帯電話で買い物の支払い・地下鉄やバスでも利用ができ、今では外出時に現金は一銭も持たず、携帯電話だけで過ごしている人たちもたくさん。皆さんもそうだと思いますが、自分の情報がほぼ全て記録されている携帯電話。狙われるのは当たり前ですよね。
ただし、最近では個人認証が出来なければ操作できない機能が付いているので、実際のところ盗まれた携帯電話を悪用するというよりは、SIMを抜き取りすぐ転売。SIMが入っていないので追跡もできないという状況になります。まず無くなったら戻ってこないのが携帯電話です。

きっとこの先、盗んだ携帯電話から様々な個人情報を引き出す新種の手口も現れてくるかもしれませんね。

お財布 / 現金 / カード

まだまだ、犯罪者たちは観光客の方たちが現金を持ち歩いている事を知っています。
逆に言えば在住者はほとんど現金を持ち歩かないので、これこそ観光客狙いの犯罪です。

特に最近では、タッチ式のカード清算(コンタクトレスカード)が普及しているため、現金は勿論、カードの入ったお財布を狙ってきます。

取られたことに気が付いた時には既に使われていたと言う事が起きかねないですよね。

現在、イギリスではタッチ清算で£100まで支払いができます。(2023年3月現在)
カード清算の技術が進めば、携帯電話のように制限金額なしでタッチ清算ができる時代が来るかもしれません。

パスポート

正直、パスポートが盗まれる事例は減ってきているように感じます。
ただしその犯罪者がどの国から来た犯罪者かによって、未だにパスポートを狙う人はいるようです。

何よりもパスポート紛失の際は、その後の手続きが本当に大変。大使館に行って即発行!なんて夢のような話は本当の夢。

私も仕事柄、パスポート紛失の話はよく耳にします。そうなんです、現に多くいらっしゃるんです。盗まれた方、無くしてしまった方、原因はどうであれ本当に手続きが大変で、延泊・航空チケット再購入という話も耳にします。

今ではイギリスでは免税手続きが無くなっているので、滞在中にパスポートを提示する機会は減っていると思いますが、くれぐれも紛失することの無いように、お気を付けくださいね。

なお、良いのか悪いのか、お酒の購入や注文をするとき、日本人の方は若く見られるのでスタッフから年齢確認を求められる時があります。一度聞かれたら年齢確認できる英語表記のものを持っていない限り、店はお酒の販売や提供を一切してくれません。
その際に、日本人が生年月日を証明できる物はパスポートか国際免許証。その上、コピーはNG。
飲みに行って僕みたいに記憶はなくしても、パスポートは無くさないでね。

ホテルのカギ

日本のようにホテルのお部屋のカギをロビーに預けて外出することは、ここロンドンではほぼ無しに等しいです。特に今はカードキーの時代。チェックアウトまで自分で持ち歩くことになるかと思います。

実は友人から聞いた話ですが、ホテルに戻ったらカードキーを無くしており、ロビーで有償で再発行をしてもらい、部屋に入ったら荷物が荒らされていたということがあったようです。
よくカードキーが紙のケースに入れられていることがあります。そこにホテルの名や部屋番号が記載されていますよね。ある意味、お宝はここにあるよと明かしているようなもの。
外出時は、くれぐれもホテルのカードキーも無くしたり、盗まれたりしないようにご注意ください。


今後新しい手口として増える可能性があるかもしれません。

どんな手口があるの?

まず、主要観光地のように観光客の集まるところは犯罪者から見ればウハウハな場所。

バッキンガム宮殿の衛兵交代式、エリザベスタワー周辺、タワーブリッジ周辺、美術館や博物館、お土産屋などなど。

これを見て共通する事柄に気が付きましたか?
そうです、いわゆるほぼ場所を移動せず、写真を撮ったり、熱中したり、気持ちが注意力を失っている場所ですね。
ここが悪い奴らのねらい目なんです。
スリや詐欺は1人ではなく、必ず2人以上のグループで犯行に及びます。そんな手口をいくつかご紹介していきますね。

信号待ち / 買い物の際中

先にもお話した、動かない、注意力が他に向いている。そんな場所は要注意。
最近頻繁に報道されているのは、信号待ちをしている最中に背後に近づき、お財布のありそうなところ、チャックなどの構造を確認し、信号が変わって歩き出した瞬間に手を伸ばして財布などを抜き取るスリが多発。ロンドン中心地の繁華街で多くの方が被害にあっているようです。

また、同じように買い物に集中している最中にスリにあう方は以前から多いようなので、買い物の最中も周りに気を付けていただけたらと思います。

特に最近では女性グループの犯罪が目立つようで、1人は実行犯、もう1~2人は見張り件、実行犯の伸びる手を周りに気づかれないようにカバーする役など素人ではないスリグループが存在します。
これがまた、スリをしそうに見えないファッショナブルできれいにメイクをした若い女性がブランド物の買い物バックを持ちながら(多分カモフラージュ)犯行に及びます。

レストラン / カフェ / パブなど

レストランの一部もそうですが、人の出入りの多いカフェやパブも置き引きやスリの被害が発生する場所の一つ。
手荷物を、椅子の下に置いたり背もたれに掛ると、いつの間にかバックが開いていたり、無くなっていることも。
(以前、パブの椅子の下にバックを置いていたらバックごと盗まれ、携帯、ノートパソコン、高級カメラをすべて取られてしまった方がいました)
荷物は膝の上が一番安心とは言いますが、食事中とか邪魔ですものね。基本的には目の届くところ、壁際の椅子に置くなど人の流れのないところに置くようにしましょう。

また、携帯電話は使った後にテーブルに出しっぱなしは危険。
見ず知らずの人が突然テーブルの携帯電話の上で地図や本など広げ話しかけ、立ち去るときに下にある携帯電話を一緒に持ち去る犯行が多発しています。
店の中や食事の写真を撮った後は、必ず携帯電話はしまうようにしましょう。

街を散策中

最近多発しているのが携帯電話の窃盗事件。歩道で携帯電話で地図を見たり、サイトをチェックしていたり、メールを打ったりと携帯電話に集中していると、近くをバイクや自転車が近づき、スッと携帯電話を奪って逃げていくという手口。これは在住者たちもかなりの被害にあっています。携帯電話を操作している時って、手に力が入っていませんもんね。

歩道での操作は要注意です。

また、以前多く出没していたのが偽警官。これは聞いたとこある方、多いかもしれませんね。
私服警官だと名乗り、携帯電話・財布・パスポートの提示を求めてくる人物です。これにはサクラも一緒にいてそのサクラが言われた通り財布などを出すので、ついつい釣られて出したが最後、ワチャワチャ早口で急き立てられている間に、カードを抜かれたりしてしまいます。
イギリスで、突然警官が財布やパスポートの提示を求めたりはしませんので、気軽に出したりは絶対にしないでくださいね。
万が一声をかけられたら、何を言っているの解らない顔してその場から立ち去ることが一番。
追いかけてはこないので無視をしてください。


これは本物の警官です~。

また、道端で手品などをしながら、手品に集中させている間に、仲間の手がバックに中を探ってくるという事例もよく報告されています。
とくに有名なのはウェストミンスターブリッジの、「今、どのカップにボールが入っているか」手品?をやっている人たちは、まず詐欺です。騙されないでくださいね。

また、突然女性が近づいてきて、小さな花束を無理やり持たせて「よく似合っているわ~」みたいなことを言ってお金を要求してくる人がいます。かなり強引です。こういう人も無視してその場から離れましょう。

ホテルのロビーで

以前大きなホテルであったことなんですが、ロンドンに早朝到着でまだチェックインができないと言う事で、スーツケースを預ける前に必要なものを取り出して荷物を整理する事に。
手荷物を置き、ロビーでスーツケースを広げて整理を始めると、近くを通ったご年配の男性が、ポケットから小銭を落とし床にばらまいてしまったので、拾うお手伝いをしてその男性にお渡ししてから荷物を見ると、手荷物のバックが無くなっていた。という被害がありました。
これももちろんグループでの犯行で、人の出入りの激しい大きなホテルのロビーで、作業に集中している時に起きた事件。
何と言っても、人の親切心を利用した最低最悪の犯罪です。

お勧めの対策方法を教えて!

もう皆さんお気付きですよね。
観光客の集まるところ、買い物や写真を撮ったりなど他に気を取られるとき。ちょっと油断したすきを狙って被害にあってしまいます。

でも。。。。。そんなことばかり気にしていたら、折角の旅行が楽しめませんよね。

そこで旅行中の大切な自己防衛をご案内いたします。

散策時のカバンについて

1,貴重品は小さなショルダーバックなどに入れ、肩に斜めがけをして前に持つ。

以前のように腹巻タイプに入れて服の下にしまうのが一番安全と言われていますが、実は何気に実用的ではないですよね。
(パスポートのように頻繁に使うものではない物、予備の現金にはお勧めの対策です)
それなら貴重品だけを入れられる小さな肩掛けバックで、斜めがけして常に前に持っていれば安心です。さらに夏場以外なら、斜めがけをした上に、コートや上着を着れば予防にもなります。まあ、夏場はそうはいかないと思うので基本、前に持つようにしましょう。

また、大きなお財布に現金やカードをひとまとめに入れず、ケースを分けるのも方法です。僕は旅行中は、その日に使うものしか持ち歩きません。基本いつも使っている財布はホテルに置き、小さな小銭入れに現金のみ。必要なカードだけカードケースに入れて持ち歩くようにしています。

2,買い物用にショッピングバックを持参

買い物袋の有料化もありますが、ショッピングバックがあれば必要な時に取り出し、そこには貴重品は入れず買い物したもののみ入れるようにすれば、狙われる危険性はありません。

3,リュックサック、口広のトートバックは注意を。

最近の信号待ちで狙われる方のバックはこのタイプ。勿論小さな肩掛けバックも後ろに回していれば狙われる危険性大です。
どうしてもリュックが必要な際は、信号待ち、買い物中、地下鉄の中など人込みでは前に回して持つようにしましょう。
また口広のトートバックは最低でもファスナー付きなど、口の部分が閉められるものをお勧めします。

4,バックは必ず見えるところに

飲食店に入ったら、必ず目の行き届くところにバックは置きましょう。また、お買い物に熱中して、貴重品の入ったバックを床に置き、他の場所に移動することがないように注意を払いましょう。

携帯電話用ネックストラップ

道端でのひったくり、置忘れや置き引き対策の為にも、携帯電話はネックストラップがお勧め。
ネックストラップをしている携帯を狙う人は、ほぼ居ないと思われます。

よく携帯電話の裏にリングのアクセサリーを付け、指を入れて操作している方が多いかと思いますが、万が一ひったくりにあった時に、指を怪我する可能性もあるので、やはり旅行中はネックストラップをお勧めします。

更に、念のため歩きスマホや、車道に近い歩道での携帯電話の操作はお勧めしません。

その他、気を付けたい事

街中を歩いていると、意外と声をかけてくる人がいたりします。その人が悪い人なのか、良い人なのかは見た目では解りませんよね。
もしかしたら、重いスーツケースを運ぶのを手伝ってくれる親切な方かもしれないし、道に迷っている時に助けてくれる人かもしれない。ではどこで判断すればいいのか。

「困っている時に声をかけてくる人は親切心。困ってもいないのに声をかけてくるのは怪しい」
これが一つの判断材料になるのではないかと思います。

勿論、自論なのでそうではない例もたくさんあると思います。
ただ、イギリスは困っている人を助ける精神が息づいている国なので、本当に困っていたら声をかけてくる人が多い国。それを迷惑そうな顔をするのも悲しいですよね。

絶対にしてはいけないこと

万が一、スリや窃盗にあってしまった時。

絶対に追いかけてはいけません。
犯罪者が凶器を持っていることも考えられます。追いかけた挙句、さらなる被害にあう可能性も否めません。
とても悔しいですが、犯罪者から奪い返そうと追いかけることだけはしないでください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

正直、治安の話をすると、まるで脅しているかのような感じになってしまい、「やっぱり、ロンドンも怖い。。。」と思われるのですが、何かあってからでは遅いので、念には念をでお伝えいたしました。
治安の事ばかり考えると不安な気持ちになってしまうかもしれませんが、注意すべき事を心の片隅に置いておくだけで、自然と自己防衛・自己管理ができるのではないかと信じています。

そしてその旅が、皆さんにとって忘れられない楽しい旅になり、ロンドンは意外と安全な町だったなと思っていただけることを信じて。

最後に

今回記載したように対策を講じても、絶対安全とは言い切れません。
細心の注意を払っていても被害にあってしまう方はいらっしゃいます。
ただ、少しでも被害を阻止できるのであればと言う思いで掲載させていただきました。
本内容はあくまでも私の主観も含まれておりますので、ご理解の程よろしくお願いいたします。

今後も新たな事例や対策内容に変化があった際は更新していきたいと思います。