【値上がりしました】ロンドン交通網の運賃やチケットについて(2023年度更新版)

ロンドンは地下鉄やバスの料金が高いと言われていますが、
毎年恒例の値上がりが2023年3月5日に実施されました。
では実際に現在いくらぐらいなのか。
また料金システムやチケットの種類は?
今回は料金とそのシステム、チケットの種類についてご案内。
(イギリス £ ポンドで説明しております。現在の為替で円計算してみてください)

2023年度料金表

2023年度中に渡英計画のある方は以下の料金表になります。
(本年は3月5日に値上がりになりました。)

基本、ロンドンに何度もいらっしゃった事がある方は1回券や一日乗車券を利用される方は稀かもしれません。
殆どの方が日本で言うスイカ、パスモやイコカの様にチャージタイプのカード【Oyster Card(オイスターカード)】を利用される方が多いでしょう。

 

何故、オイスターカードを利用される方が多いのか

1、一回券や一日乗車券より何と言っても割安。
2、「Daily Cap」と言われる、一日に引かれる運賃最高金額の設定がある。
3、チャージ残高の払い戻しが可能(条件あり)。
この3点が大きいかと思われます。(記念としてと言う方も多いかも)
それぞれ紐解いていくと。

一回券や一日乗車券より何と言っても割安。

この地図を見て頂くと解るように、地図の背景の色が中心地が白抜き。その周りがグレー。更に白とグレーがドーナツ状に交互に色が変わっていきます。
これがいわゆるZone(ゾーン)と呼ばれる地域分けで、中心地の白抜きがZone1、その周りのグレーがZone2。色が変わるごとに数字が増え、ヒースロー空港はZone6にあります。このゾーンが運賃計算に使われています。
そうです、いわゆる「どこのZoneで改札を通りどこのZoneで改札を出たか」が料金計算になるシステムです。

殆どの主要観光地がZone1にあるので、Zone1内の移動で料金説明すると、
1、一回券 → £6.70(隣の駅に行くだけでもこの値段。高すぎですよね)
2、一日乗車券 → £15.20(Zone1~4までなら一日中利用可能。でもやっぱり高い)

そこで便利なのがOyster Card(オイスターカード)
まず、上記料金表を参考にして頂くと解る通り、Zone1内のみの移動なら1回の乗車 で£2.70(Off Peak) /£2.80(On Peak)。なんと一回券の約60%OFFの価格。なので、1回券や一日乗車券を買うよりもオイスターカードを利用するほうが断然お得な計算になります。

なお、On Peak/Off Peakとは利用時間により料金の変動がある事です。(*上記料金表参照)
*On Peak(混雑時間帯 平日6:30~9:29、16:00~18:59)
*Off Peak(On Peak以外の時間帯、及び週末&祝日)

「Daily Cap」と言われる、一日に引かれる最高金額の運賃設定がある

更には「Daily Cap」と言う料金システムがあり、一日に引かれる最高金額の設定がされており、Zone1~2内であれば最高£8.10までしか引かれることはありません。日本の様に、乗れば乗るほど永遠に引かれ続ける事がないのでお得なシステムと言えるでしょう。

例えば、
Zone1内の地下鉄に3回乗りました。£2.70×3→£8.10。
既にこの時点でDaily Capに到達。4回目以降は無料でZone1~2を乗ることができるということです。
勿論、その日の乗車は地下鉄2回だけだった場合は£2.70×2→£5.40引かれるだけ。

一回券や一日乗車券を買うより、よっぽど安上がりですよね。

では、地下鉄以外の交通網を使った場合はDaily Capは適用されるのか

ダブルデッカーなどの路線バスも勿論このオイスターカードで乗車可能。
(なお、現在路線バスは現金での乗車は不可となっております)
バスは一回乗ると£1.75。バスにもバス専用Daily Cap設定があり、最高金額£5.25(3回分)。4回目からは無料で乗れます。
(なお、ロンドンバスはZone制ではないので、距離に関係なく一回の乗車運賃は一律になります)

ここで心配なのが、地下鉄とバスの両方を利用したらDaily Capはどうなるのか?
最終的に£8.10(Zone1~2)を超えて引かれることはありません。
勿論、空港まで行けるElizabeth Lineやロンドンの東側を運航している DLR(Dockland Rail Way)、中心地を囲むように走る Overground、ロンドン南側を走るTrams、更には鉄道もZone内なら同じ適用がされています。

ただし、ご注意いただきたいのはテムズ川を運航しているRiver Busと、パディントン駅から出ている最速でヒールロー空港まで行けるHeathrow ExpressはDaily Cap外なのであしからず。

余談になりますが、最初に乗車したバスの乗車時間から、1時間以内に別のバスに乗車したら、2台目以降1時間以内の乗り換えに関しては、オイスターカードをタッチしても金額が引かれず無料になっています。ホッパーフェアと言われる面白いシステム。なお、途中で地下鉄など別の乗り物を利用した場合はクリアになってしまいますのでご注意を。

チャージ残高の払い戻しが可能(条件あり)

オイスターカードの購入は駅の自動券売機で出来ます。
(なお、現在主要駅以外には有人窓口が無くなっておりますので、券売機を利用してください)

オイスターカード購入時にはチャージする金額以外に、デポジットとして現在£7.00上乗せで払います。
(カード購入代って感じでしょうか)
チャージ金額を£10.00にした場合、最初の購入時の支払いは£17.00になると言う感じです。

なお、このオイスターカードが便利なのは、もう使わないとなった時に駅の券売機で返金手続きが出来ると言う点です。返金は運賃残高が返金されます。

ただし返金には以下の3点が注意事項としてあります。
1、オイスターカード購入時から48時間以上経過している
2、オイスターカードのチャージ残高が£10.00以下である
3、現金での返金になる

なお、以前はお支払いされたデポジット£7.00も上記条件で返金されましたが、現在は購入から1年以上経過したオイスターカードのみがデポジット返金可能に変わりましたのでご注意ください。
(注:デポジット返金を行ったカードは再利用(再チャージ)不可となります)

ところで、私の友人は15年振りに渡英し、当時使っていたオイスターカードを持参したら、残高がそのまま残っており再利用できたと言っていました。イギリスにしては優れものですよね(笑)

なお、一部の方はお持ちかもしれませんが、Oyster Visitor Cardと言うものもあります。

〈左が通常のオイスターカード、右がビジターカード〉

このビジターカードは以前は自動券売機で購入できましたが、現在は現地購入が出来ないようです。
現在購入できるのは英国観光庁のサイトのみ。 英国観光庁サイト
旅行前に注文をし自宅に送ってもらうと言うシステムとなります。こちらも勿論、チャージ以外に現在デポジット£5.00がかかります。更にカードの日本への送料も別途必要になります。

なお、このビジターカードも上記の様に通常のオイスターカードと同じ条件で返金手続き出来ますが、残念ながらデポジットの返金はできないカートになっています。
そう考えるとデポジット代は£2.00高いですが、通常のオイスターカードを購入するほうが有効かもしれませんね。

さて最後に、
1年以上の時間を開けてオイスターカードを再利用する際は、最初にカードを起動させる必要があります。改札を通る前に必ず一度、自動券売機の黄色いタッチパネルにタッチして起動させてから利用してくださいね。まあ、残高確認するかと思うので問題ないかと思います。

今ではオイスターカードが不要な時代に

さて、イギリスではコロナの影響から生活の中ではキャッシュレスの時代へと変わりました。

その関係で様々な生活シーンで、コンタクトレスカード(非接触型カード→いわゆるPinナンバーを打たないタッチ式精算カード)や携帯電話での清算が急激に進んでいます。
ちなみに、僕は外出時に現金やオイスターカードは全く持ち歩かなくなりました。
最初は慣れませんでしたが、そのぐらい現金を使わないで済む生活に変わったことを如実に感じています。

そんな中、今では公共交通機関でもコンタクトレスカードや携帯電話での利用が可能になっています。

更に嬉しいのは、上記で説明したオイスターカードと同じ支払いシステムで精算されるので、カードや携帯でもDaily Cap設定がされるという点。

実に便利な世の中になりました。

最後に

ご理解いただけましたでしょうか?

また何か改定があった際はお知らせいたしますね。

さらに、コンタクトレスカードや携帯電話での清算については以下でご案内しております。
イギリス旅行いくら両替していけばいい?【イギリスでの支払い事情】

イギリスでの旅の不安が少しでも解消されることを願って。