ロンドンの路地に迷い込む 2:Pickering Place

ロンドンの街は日本の古都の様に、古い町並みがそのまま残る場所が沢山
中心地を歩いていても、殆ど人が通らない古い細道・裏道・路地がいっぱい
是非訪れて頂きたいロンドンの路地をご紹介

St James’s地区には路地や裏道がいっぱい

Piccadilly Circus駅からGreen Park駅の間のPiccadilly Street。そこからSt James’s Parkまでの地域がSt James’s地区。
バッキンガム宮殿近くのこのエリアは、王室に関係する建築物が多い。
セントジェームズ宮殿やチャールズ国王とカミラ王妃の住むクラレンスハウス。ジェントルマンズクラブやオークションハウスの「クリスティーズ」。
高級ホテル「The Ritz London」、百貨店「フォートナム&メイソン」、イギリス最古の現存する書店「ハッチャーズ」、そして紳士の為の店が並ぶ「Jermyn Street」など王室御用達の紋章がそこら中に掲げられている地区。

〈3つの王室御用達の紋章を持つ「ハッチャーズ」〉

そんな裕福で歴史ある地域には、そこら中に裏路地がいっぱい。
今回はSt James’s地区のお勧め路地裏をご案内。

確実に誘われる路地の入り口

場所はPiccadilly StreetのGreen Park駅寄り。その名も「St James’s Street」
Piccadilly Streetから歩いていくとちょうど正面にチャールズ国王の妹、アン王女の住むセントジェームズ宮殿が見える通り。
この通りは見た目は特長のない通りに見えるが、じっくり見ていくとなかなか面白い。
狩りで使う銃を販売する「The Beretta Gallery」、ビスポーク(オーダーメイド)の靴屋「John Lobb」、チャップリンも愛用していた世界最古の帽子屋「Lock&Co Hatters」、また今だに多く並ぶ葉巻専門店など、この地区が如何に貴族紳士たちの溜り場だったかが伺える通り。

そんな通りを歩いていると、ついつい見過ごしそうな脇道「Pickering Place」が。

意志とは別に、完全に吸い込まれてしまうこの路地。

もう行くしかないでしょう。

見落とさないでね。「Pickering Place」

この細い路地を入っていくと小さな広場が。「Smallest Square in Britain」と言われ、英国で最も小さな公共広場となっている場所。
〈ちょうどクリスマス前で素敵なツリーが〉

この広場が出来たのは18世紀の事。なんでこんなところに樽がと思って調べてみると、ちょうどクリスマスリースが付いている扉の家。ここは「Berry Bros.& Rudd」と言う17世紀からあるコーヒーやカカオなど輸入し販売していたロンドン最古の食料品店の裏。実はワイン商としても有名で、あのタイタニック号にワインを卸したのはこの店。そんな訳で樽が置いてあるんですね~。

この店を築き上げたオーナーの義理の息子、コーヒー商のウィリアム ピッカリングがこの広場を作ったことから「Pickering Place」と名前が付いた模様。
ジョージア王朝時代の美しいレンガ作りの家並みが今でも当時の雰囲気を醸し出し、迷い込んで正解だったと感じる場所になっている。

見た目と違いやっていたことは・・・・

時間の止ったような素敵な空間だが、ある意味ちょっと奥まっていて隠れて悪さも出来そうな場所。。。

そこであまり好ましくない悪さをする場所でもあったらしい。
隠れてギャンブル、隠れて決闘。隠れて大人のお遊び。そして隠れて熊の餌やりまで。隠れてやりたい放題だね。

そんな歴史あるこの場所は、以前はアメリカ合衆国に加盟する前のテキサス共和国の公使館のあった場所らしい。こんな小さな場所なのに、いろいろと歴史があるな~。

ところで、写真にはないが、ちょうどこの左手は隣のレストランのテラス席があって、プライベート感満載。お茶している人も居たので晴れた暖かい日に訪れてみたいな。(お茶していたのは食後のお茶かも・・・)

そんなこの広場も保存指定を受けている場所。当時から残る家並み、趣のある手すり、そしていまだに使われているガス灯。

バッキンガム宮殿に行ったときは、ちょっと寄り道して訪れてみてはいかがですか?

場所はこちら

【Pickering Place】
Pickering Pl, St. James’s, London SW1A 1EA